オンライン会議やゲーム配信、ショート動画の撮影──画面の向こう側に自分の部屋が映る機会は、この数年で一気に増えました。服や髪型だけでなく、「どんな部屋に住んでいるか」も、その人のキャラクターを伝える要素になりつつあります。
都内の大学に通う20歳のミナさんは、友人とゲーム配信を始めてから、部屋づくりの意識が変わったと言います。「前はとりあえずベッドと机が置ければいいって感じだったんですけど、アーカイブを見返したら背景がごちゃごちゃで(笑)。それから、棚の中身や壁の色、ライトの位置まで気にするようになりました」。
最近のトレンドは、「派手さよりも、長時間見ていて疲れない画面」。強いネオンカラーではなく、ベージュやグレー、くすみカラーをベースにしつつ、お気に入りのフィギュアやアートを一点だけ目立たせるスタイルが人気です。配信用のリングライトに頼りすぎず、間接照明やスタンドライトでやわらかい影をつくる人も増えています。
こうした“配信映え部屋”の発想は、日本だけでなく世界の都市にも広がっています。香港を拠点に、コンパクトな住まいづくりで知られる 香港のインテリアデザインスタジオ Luke Studio は、石や木などの自然素材とシンプルな照明計画を組み合わせ、「画面で見ても落ち着いて見える空間」を提案しています。リビングの一角にノートPCとカメラを置くだけでミニスタジオになるよう、背景の棚や壁のトーンをあらかじめ設計しているのが特徴です。
もちろん、いきなりフルリノベーションをする必要はありません。まずは①壁の一面だけ色を変える、②背景に映る棚を“見せる収納”に整える、③天井照明だけに頼らず、デスクライトやフロアライトで光の層を増やす──この三つを意識するだけでも、配信画面の印象はかなり変わります。
SNS で「#配信部屋」「#roomtour」と検索すると、工夫を凝らした部屋が次々と見つかります。海外の事例も含めて眺めていると、「自分だったらどんな世界観を映したいか」が少しずつ見えてくるはず。次の模様替えは、カメラのプレビューを開きながら考えてみるのも面白いかもしれません。